Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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530361212 シラサギ 神託・白妙一閃

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マスターは言葉どおり、 シラサギのあとを着いてまわった

シラサギは適当にフラフラしている ように見えたが、マスターが 理由を聞くと決まってこう答えた

5303611.png 【シラサギ】 もちろん、お告げがあったからだ

そう話しているあいだにも シラサギはお告げを受けていたらしい

5303611.png 【シラサギ】 …………あちらか 行くとしよう

お告げがあればシラサギは それに従い、迷わず行動する

5303611.png 【シラサギ】 ご婦人…今日の献立は魚がいい 山菜摘みはやめたほうがいい

5303611.png 【シラサギ】 若者よ…今日の狩りはやめた方がいい 装備の手入れをすべきだ

5303611.png 【シラサギ】 ご老人 散歩はやめておくといい 隠しているが膝も痛むのだろう?

シラサギは町をウロついては 町の人に声をかけ 困っている人を助けたりしていた

人々はシラサギの一方的な言動に 困惑していて、なかには 邪険にする人もいた

だが見ていたマスターにはわかった 彼女のしていることは 町の人のためになることばかり

それをわかってもらえないのは 残念だとマスターはシラサギに そう伝える

5303611.png 【シラサギ】 わたしが勝手に期待しているだけだ

そのとき――

5303611.png 【シラサギ】 なにっ!?

突如、 シラサギの表情が険しく変化する

5303611.png 【シラサギ】 こちらか!

シラサギは町の外に一目散に駆け出す マスターも何も言わず後を追った

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5303611.png 【シラサギ】 なるほど貴様らか

シラサギが町を出てしばらくすると 進行方向から数十の魔獣が現れた

5303611.png 【シラサギ】 町に向かっていたのか だが、ここから先に行かせはしない

シラサギは魔獣の進路に立ち塞がり 構えを取る

シラサギの振るう薙刀が、 的確に魔獣を捉え、滅していく

魔獣がすべて地に伏すのに そう時間はかからなかった

5303611.png 【シラサギ】 これで町への脅威はなくなったか?

シラサギはつぶやきながら考えこんだ 何か気になることがあるらしい

5303611.png 【シラサギ】 町の外が危険だと 示唆するお告げが多かった…

5303611.png 【シラサギ】 脅威はまだ完全に 排除できていないのかもしれない 町の人に警戒するよう伝えよう

マスターが頷くと、シラサギは 今度は町に向かい走るのだった

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シラサギとマスターが町に戻ると 人々が集まり騒然としていた

5303611.png 【シラサギ】 様子がおかしい …まさか別口の襲撃?

シラサギが事情を尋ねると 町の子供が何人か行方不明だという

5303611.png 【シラサギ】 子供達が行方不明? まさかあのときの子達か?

5303611.png 【シラサギ】 町のなかにいたのでは…

どうやら子供達は町の外に 遊びに出てしまったらしい

同時に、町の外で魔獣の姿を 見かけたという報告があり 子供達が危ないと騒ぎになったのだ

5303611.png 【シラサギ】 わたしの忠告を聞かずに 町の外へ出たか…

5303611.png 【シラサギ】 子供達を止めるというお告げを 果たせなかったわたしの責任だ

5303611.png 【シラサギ】 …神よ、わたしにお告げを 子供達はどこに…

瞑想するシラサギの表情が わずかに曇る

5303611.png 【シラサギ】 どういうことだ…?

マスターはシラサギにお告げは なんと言っているのか尋ねるが…

5303611.png 【シラサギ】 お告げは聞こえなかった…

5303611.png 【シラサギ】 いや聞こえなかったというよりは 沈黙が答え…?

今までになかったことなのか シラサギはわずかに動揺している

マスターは動けずにいるシラサギに 自分に任せてくれという

5303611.png 【シラサギ】 しかし…もう一度お告げを…

再びお告げを聞こうとするシラサギに マスターは自分を信じて欲しいと語る

5303611.png 【シラサギ】 ………

5303611.png 【シラサギ】 ……わかった。 あなたはわたしの お告げを無条件に信じてくれた

5303611.png 【シラサギ】 だからわたしも あなたの言葉を信じよう

マスターは礼を言うと、子供達の 友達に話を聞こうと提案する

5303611.png 【シラサギ】 何を聞く? 遊び場所なら森だと言っていた

マスターは子供達が 相談していたときのことを話す

5303611.png 【シラサギ】 確かに表情は硬かった …あれは遊びの相談じゃない?

マスターは頷くと 子供達の友達から話を聞き出す

5303611.png 【シラサギ】 なるほど… 病気の友達のために薬草を 採りに行ったのか…

5303611.png 【シラサギ】 薬草があるのは遊び場があるのとは 別の…遠い方の森…

シラサギはすぐさま駆け出す マスターも後を追った

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ほどなくして目的の場所が 視界に入ってくる

泉を湛えた森とも言えない小さな森 そこに子供達と魔獣の群れがいた

5303611.png 【シラサギ】 あなたの言うとおりだったか

子供達は魔獣に囲まれ泉に 追い詰められていた

5303611.png 【シラサギ】 あなたの導きを無駄にはしない!

お告げ第一で動いていた自分を 文句も言わず見守っていてくれた

お告げの真意を理解できず 戸惑っていた自分を その洞察力で導いてくれた

そのマスターの視線を背中に感じ 無様な姿は見せられない シラサギは強く思った

その時、シラサギは新たな力が 湧いてきていたのを感じたのだった

5303611.png 【シラサギ】 間に合えっ!!

シラサギから放たれた力の奔流が 正確に魔獣だけを吹き飛ばす

そして子供達を救った力の残滓が 祝福するかのように辺りを照らした

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