540191211 フェイルノート・誓約・ルシファー 皆を導く義務
【フェイルノート】 甘いわね?
【フェイルノート】 魔王ルシファーの業を背負いし フェイルノート・誓約(コール)・ ルシファーの手から…
【フェイルノート】 逃げられると思って?
戦場を駆け、 次々に敵を倒していく一人の姫
マスターの隊に新しく入った フェイルノートだ
【フェイルノート】 いかがかしら?
【フェイルノート】 ルシファーの力と、 私の知力をもってすれば、 どんな敵も恐れるに足りないわ
その言葉通り、魔王の力と、 明晰な頭脳を持ち合わせた彼女は、 隊の中でもすぐさま頭角を現した
しかし……
【フェイルノート】 けれど、 この隊の姫達は 全然ダメだわ
【フェイルノート】 世界を統べるため、 お前達もちゃんと 私に続きなさい
毒舌で上から目線な物言い
【フェイルノート】 いいこと?
そのため、 彼女を苦手とする姫達も 少なくはなかった…
それを心配したマスターは、 フェイルノートの様子を 見に行くことにした
すると…
彼女の部屋から、 なにやら声が聞こえてきた
【フェイルノート】 私なら成し遂げられる、 きっと大丈夫
【フェイルノート】 ね、そうよね…?
入るよ?と、ノックし、 入室するマスター
【フェイルノート】 え…?
【フェイルノート】 ひゃあああっ! お、お前様! いつからそこにっ…!?
誰かと話してた? 尋ねるマスター
【フェイルノート】 い、いいえっ、 話なんてしていないわっ…!
慌てふためく彼女の手には、 ぬいぐるみが……
【フェイルノート】 な、なにか用なの…!? レディの部屋に突然、押しかけて…!
そう聞かれたマスターは ぬいぐるみのことには触れず、 彼女に語り掛けた
君はすごく優秀だ…でも、 君のように出来る姫ばかりじゃない 優しい目で見守ってあげて、と
【フェイルノート】 ……それを言いに来たの?
彼女はマスターに答える
【フェイルノート】 強者として生まれ落ちた以上、 私は皆を導く義務がある
【フェイルノート】 みんなには、その手助けを してもらわないといけないわ
【フェイルノート】 多少、厳しくなるかも知れないけれど 魔王の力を得た者として、 私には皆を導いてゆく責任があるの
その言葉を聞き、 本当は心優しい少女であることを 知るマスター
【フェイルノート】 な、なに…? そんなにジッと見つめて…!
一人で背負い込もうとする 強がりゆえ、 毒舌になってしまうが…
その優しさは、 きっと姫達にも伝わるはずだ
そう思い、 マスターはそれ以上、 彼女になにも言わなかった
そんな、ある日…
【フェイルノート】 駒は揃ったわ さあ、ゲームを始めましょう!
戦闘に出るマスターの隊
だが…
【フェイルノート】 いつもより、敵の数が多いようね そのせいで姫達も連携がとれていない …少し厄介ね
フェイルノートをはじめ、 姫達は苦戦を強いられている
【フェイルノート】 みんな!もっと迅速に!! そんなスピードじゃ、 こいつらには勝てない!!
強敵相手ということもあり、 いつもより姫達に対する要求が 高くなるフェイルノート
【フェイルノート】 そこ!なにやってるの!?
だが、中には ついていけない姫も出始めて…
【フェイルノート】 ほら!しっかり!!
そんなフェイルノートに、 遂に姫達から不満の声が上がった
私達は魔王の力を持っていない! あなたのようにはできない!と
【フェイルノート】 ……!
【フェイルノート】 あ、危ない…!
そして、とうとう負傷する姫も……
【フェイルノート】 あぁ……
ショックを隠し切れない彼女
――と、
大丈夫!戦局は立て直せる!! マスターの采配により、 なんとか持ち直す姫達
【フェイルノート】 お前様……
激闘の末、 マスターの隊は勝利を収めるも、 後味の悪い雰囲気になってしまった…
戦闘後――
さっきのことで 落ち込んでやしないかと、 フェイルノートを訪ねるマスター
すると、 彼女の部屋から声が聞こえてきた
そっと中を覗くと……
【フェイルノート】 私が…間違ってるのかな?
彼女は、不安な顔で ぬいぐるみに語り掛けていた
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