540202214 ヒョウハ・神令・テュール 樹令『紅焔の心緒』
ヒョウハから受け取ったチョコを 大事に食べていたマスター
ヒョウハは甘いものが苦手なのに マスターのために 特別に作ったと言っていた
きっと、いっぱい苦労して 作ってくれたんだろう とマスターは感慨深い気持ちになった
マスターは隊の姫達と 任務後の会話を楽しんでいる ヒョウハへ視線を動かす
【ヒョウハ】 なに? 最近のあたしが調子いいって?
【ヒョウハ】 ははっ! あたしはいつだって超爆・好調だ!
【ヒョウハ】 これからもこの隊で 活躍してやるからなー! どんどん頼ってくれよー!
と、隊の姫達に宣言するヒョウハ 事実、最近の彼女の動きは とてもよくなっていた
これまでのヒョウハは 無鉄砲に突撃しまくるという 戦い方だったが…
今は、敵とちょうどいい距離を 計れるようになったのだ
以前までのヒョウハだったら 中途半端だと言って 嫌っていた間合いだ
彼女には、 樹令『紅焔の心緒』 という新たな力が身についたのだ
【ヒョウハ】 …あ!師匠ーッ!
ふとマスターに気づいたヒョウハが 手をぶんぶんと振って マスターの方へ駆けてくる
【ヒョウハ】 あ!あたしの作ったチョコ! まだ食べきってなかったのか?
大事に食べてるんだ、とマスター
【ヒョウハ】 へっへー!そっか 味はどう? 特別に作ったんだけど、うまいか?
満面の笑みで問いかけるヒョウハに うん、美味しいよ と返すマスター
【ヒョウハ】 ふふんっ! そうだろそうだろ!
【ヒョウハ】 超爆・甘いやつか 超爆・苦いやつにしようか 迷ったけど…
【ヒョウハ】 師匠の口にあったなら よかったよ!
そう言って裏表なく からからと笑うヒョウハ
しかし彼女が素直だからこそ マスターは思い悩む
特別に作ったって どういう意味だろう…と
【ヒョウハ】 んー? どうした師匠? 悩み事か?
ずい、と顔を近づけてきた ヒョウハに驚いて、 マスターは思わず後ずさる
【ヒョウハ】 なんだ、師匠 顔、赤くないか?
【ヒョウハ】 はっ! さては風邪? 風邪を引いたのか、師匠!?
ち、違うよ! とマスターは慌てて否定する
【ヒョウハ】 なんだ、違うのか じゃあ、どうしたんだ?師匠
直接聞くのは失礼だよね… とマスターからはもごもごと 悩むような声が漏れる
【ヒョウハ】 悩みか? 悩みがあるのか、師匠!?
ぐいぐいと追及してくる ヒョウハに圧され 困り顔のマスター
【ヒョウハ】 前回はあたしが助けられたからな! 今度はあたしが力になってやる!
【ヒョウハ】 さぁ、言ってみろ、師匠! さぁさぁ!
いつの間にか手を握られ マスターは逃げることもできない
マスターはせめて目を瞑って、 ヒョウハとちょうどよい距離を 置こうとするのだが…
瞼の裏には、あのとき チョコを渡してきた彼女の姿が 焼きついているのだった…
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