60301212 ツヴァイ 信用できるかも
異族を倒していくツヴァイ まるで何かを振り切るように、 激しく、無理矢理に
【ツヴァイ】 …誰も…逃さない…!!
『言葉なんざ信じられねえ 信じられるのは ヒトの闘い続ける姿だけ』
異族を倒すごとに、 ツヴァイの頭の中で鳴り響く声
【ツヴァイ】 …わかってる
とにかく倒す 敵を、倒す 闘い続ける
ツヴァイは後先を考えずに 異族を倒し続けた
まるでそれだけが、 自分の存在証明であるかのように
マスターがツヴァイに追いつく頃には もう異族の影すらなかった しかし…
【ツヴァイ】 ウッ、えェッ げろろろろおおおおお………!
その無茶が、ツヴァイの身体を蝕む 地面に、吐しゃ物が広がっていく
うずくまるツヴァイに 大丈夫?と 声を掛けるマスター
【ツヴァイ】 …勝ったよ ちゃんと、戦った、から…
マスターは、その言葉を受け取り うん、そうだね、と言って ツヴァイの背中を優しく擦る
【ツヴァイ】 …………?
そして、 地面にぶちまけられた吐しゃ物を 淡々と処理していくマスター
【ツヴァイ】 なにを、してるの?
理解できない、というように マスターの行動を呆然と 見ているツヴァイ
このままにはしておけないからね、 とマスター
【ツヴァイ】 …きたない、よ?
構わないよ、それに僕が 君に対してできることは少ないから… そう言って、吐しゃ物を処理する
それより 怪我はない? と、ツヴァイの身体を心配する
【ツヴァイ】 …へんなの
怪訝そうな顔を見せるツヴァイ その背後に忍び寄る異族の姿が マスターの目に飛び込んでくる
【ツヴァイ】 …!?
次の瞬間、ツヴァイを異族から 守るためにマスターは ツヴァイを引き寄せる
なおもツヴァイを狙っている異族 ツヴァイを背にし、 異族の前に立ちはだかるマスター
【ツヴァイ】 …え…?
戦う力などないはずのマスターが 自分を守ろうとしていた
背中は恐怖のためか小さく震えている だが、決して退かないという決意が 感じ取れる
理解ができない…そう思ったが マスターの表情を見た瞬間に、 その考えは霧散した
真剣に自分を守ろうとしてくれている それをツヴァイに感じさせるほど、 マスターの表情は真剣だった
【ツヴァイ】 …あなたも、『闘って』るんだね …………
ツヴァイが確かな足取りで マスターの前に躍り出る
【ツヴァイ】 …下がってて …ここは、わたしが クロ、いこう
【ツヴァイ】 おさんぽだよ
Next: 60301213