60331212 フューリー 純粋な正義
任務がひと段落したマスター達は 引き上げるための後始末をしていた
【フューリー】 …………
マスターは無気力そうに ぼーっと立っているフューリーの ことを思わず見つめてしまっていた
【フューリー】 …………あ、何か御用ですか?
フューリーから話しかけられたが マスターは上手く返せない
何か話をしようか とマスターが持ちかけたところで フューリーが何かを思いつく
【フューリー】 そうだ、占いでもしましょうか
【フューリー】 もの言いたげな雰囲気で 私を見つめるくらいには 何やら悩みがあるようですから
フューリーからの提案に マスターは喜んでお願いするよ と返す
【フューリー】 そ、即答なんですね… 私はこちらの話をしないで済むので まったく問題ありませんが…
ぶつぶつとつぶやくフューリー マスターにはその言葉は届いて いないようだった
【フューリー】 …まぁ、いいです
フューリーがマスターを占おうと 姿勢を直したところで姫達が 近寄ってくる
【フューリー】 え、え、なんですか 皆さん、どうしたんですか
姫達はたまたま聞こえた 占い、という言葉に反応して 寄ってきたようだ
【フューリー】 あ、ええ、たしかに 皆さんの占いもしたことが ありませんでしたね
【フューリー】 こちらに来たばかりの時は 力が使えるかどうかも わかりませんでしたし
姫達の急接近に驚いたマスターだが フューリーが彼女達と仲良くする チャンスだ、と順番を譲る
【フューリー】 いいんですか? 私は構いませんが…
そう言うとフューリーは 姫達を相手に占いを始める
【フューリー】 ――するといいでしょう あなたは――と聞いて思想を 変えたりはしないでしょうし――
アドバイス、という形ではなく 占った結果を淡々と告げるフューリー
姫達はフューリーの一言一言に 一喜一憂しているようだが 皆、同じく楽しそうな雰囲気だ
そして、ようやく マスターの順番がくる
占いというものには 不思議な魅力があるんだね とマスターが言う
【フューリー】 …そういうものらしいですね けど、こんなにブレない人達を 一斉に相手したのは初めてです
【フューリー】 占いの必要があるのかも わからないくらいですね
姫達にとっても、フューリーに とってもお互いの理解が 深まったようだね、とマスター
【フューリー】 …そうでしょうか 私という存在は――
フューリーが言葉を発そうとした そのタイミングで見張りをしていた 姫が異族の発生を知らせる号令を出す
【フューリー】 ここは安息とは 無縁のようですね…
任務で討ち漏らした異族がいたのか たまたま遭遇したのかわからない
だが、異族が近づいているのは事実 姫達は一転して張り詰めた空気を 漂わせ、迎撃態勢に移る
【フューリー】 私もお手伝いさせていただきます
お願い、とマスターも フューリー達に指示を飛ばす
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