66650051 Unit666 ヴァジュラ
【ヴァジュラ】
夜風がいい感じだねぇ！
ここで一杯やろうってお誘いだろ？
【ヴァジュラ】
それなら大歓迎だよ
ほら、そう思って準備もしてきたんだ
マスターは苦笑いしながら 線香花火を取り出し、 ヴァジュラへと差し出す
【ヴァジュラ】
お、夏っぽくていいね
早速やろうぜ！
火をつけた線香花火は 火球の蕾ができ、 パチパチと火花を散らし始める
【ヴァジュラ】
やっぱ綺麗だな
よし、それじゃ
マスターも一杯やろうぜ
ヴァジュラは空いた手で器用に 酒を用意すると マスターへと差し出す
【ヴァジュラ】
お、いい飲みっぷり
あたしも負けてられないな
【ヴァジュラ】
夜は長いっていうのに
もういい気分だよ
【ヴァジュラ】
大きな花火もいいけど、
こういった静かなのもいいよね
【ヴァジュラ】
ほら、あたしって調子に乗って
騒がしくしちゃうから
余計にそう思っちゃうよ
【ヴァジュラ】
マスター、覚えてるかい？
始めて会ったときのことをさ
【ヴァジュラ】
最初、マスターのこと、
あたしは頼りないって思っててさ
【ヴァジュラ】
だったら、
あたしがどうにかするしかないって…
【ヴァジュラ】
最初はそれでうまくいったけど
そのうち、うまくいかなくなって
失敗ばかりになっちゃってさ
線香花火の火は 激しく火花を散らし 文字通り、火の花を咲かせる
【ヴァジュラ】
そのとき、
そこまで黙ってたマスターが
あたしにフォローをしてくれた
【ヴァジュラ】
あんなにピンチだった状況が一変して
うまくいくようになって
【ヴァジュラ】
マスターってすごいなって
正直に思ったよ
【ヴァジュラ】
それからは戦いじゃないときでも
あたしをフォローしてくれてさ…
【ヴァジュラ】
だけど、あたしはそれが面白くなくて
へそを曲げたりもしたっけな
【ヴァジュラ】
覚えてるか？
休みの日にサーフィンを
やった日のこと
【ヴァジュラ】
あの日もつまらないことで
カッとなって
マスターの元を離れたんだよな
【ヴァジュラ】
びっくりしたよ
その間にマスター、
溺れた子を助けにいっててさ
【ヴァジュラ】
しかもさ、
あたしがくることを信じて…
【ヴァジュラ】
前からわかってたことだけど
あたしはもっと
マスターのこと信じていいんだって
【ヴァジュラ】
あらためて、そう思ったんだ…
【ヴァジュラ】
やっぱいいねぇ、花火って
マスターと花火を見た日のことを
思い出すよ
ヴァジュラはそう言って 丸みを帯びた線香花火へと 目を落とす
【ヴァジュラ】
な、マスター…
【ヴァジュラ】
あのときからますます
あたしはマスターのこと
信じるようになった
【ヴァジュラ】
だから…
【ヴァジュラ】
…口説き文句は
あたしに読まれないようなの
考えないとダメだぞ♪
線香花火の火花が消え、 火球だけが残る
マスターは意を決して ヴァジュラを見つめた
【ヴァジュラ】
マスター…
ヴァジュラ…
選択肢:
- 僕と誓約を結んでほしい → select_label_01へ
ヴァジュラ…
select_label_01:
【ヴァジュラ】
誓約……
select_label_end:
【ヴァジュラ】
マスター…
本当にあたしでいいのかい？
あ、あたしは嬉しいけど
【ヴァジュラ】
あ…
マスターがうなずくと ヴァジュラは少し泣きそうな 表情で微笑んだ
【ヴァジュラ】
マスターを信じるって言ってたのに
あたし、最後の最後で…
【ヴァジュラ】
でも、マスターはさ
こんなあたしと誓約を結びたいって
言ってくれたんだよな
【ヴァジュラ】
嬉しいよ、マスター
やっぱり、マスターには
かなわないな…
【ヴァジュラ】
マスター、これからずっと…
【ヴァジュラ】
マスターを信じ
尽くすことを誓うよ
それを聞いたマスターは頷き、 僕も誓うよ と宣言する
同時に、線香花火の 火球が地面へと落ちる
地面に落ちた火球から 光りが広がり、
マスターと ヴァジュラを包んだ
【ヴァジュラ】
う、はずかしいな…
マスターの想いが
あたしの中に入ってくる
【ヴァジュラ】
…マスターのバイブスと
あたしのキラーズが深く
繋がっていく
【ヴァジュラ】
なんだかさ、
お酒じゃないのに
胸が温かくなるな
【ヴァジュラ】
これがマスターと
誓約を結んだ証ってわけか
【ヴァジュラ】
ははっ
悪くないな
きっとこれが幸せってやつだ
【ヴァジュラ】
マスター
これからもよろしくな
【ヴァジュラ】
マスターとなら、
どんな失敗を重ねても
必ず前へ進めるって思うんだ
【ヴァジュラ】
辛いときも挫けそうなときも
この先ずっと隣で笑い合おう
二人ならなんだってできるさ！
【ヴァジュラ】
信じてるよ
こうしてマスターと ヴァジュラの誓約は 結ばれたのだった
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